幼なじみの隣で不器用な恋を
「ど、どうして眞紘くんが…ここに?」
「色々あって、花奏と同じ高校に進学することにしたんだ…。詳しいことは、後でゆっくり話すよ。今日の夕食、花奏の家で一緒に食べることになってるから。」
「そっ、そうなの!?」
「あれ?おばさんから聞いてない?」
「うん……」
そんなこと一言も……
あ、でも…さっき家を出る直前に早く帰るように言われたっけ。
詳しい理由は家に帰った後に話す…って言ってたけど、もしかしたら…眞紘くんのことかもしれない…。
それにしても、眞紘くんが同じ高校に進学だなんて…。
絶対に無いことだと思ってたから、すごくビックリだよ…。
「ところで、花奏…俺にぶつかるほど慌てて、どうしたんだ?」
眞紘くんの言葉に、本来の目的を思い出した私。
“あっ!”と大きな声を出してしまった。
「そうだ、私…忘れ物しちゃって、家に戻るところだったの…。急がなきゃ…!」
走り出そうとした瞬間、眞紘くんは私の腕を掴んだ。