幼なじみの隣で不器用な恋を
階段を上ってきていた女の子が、足を止めて驚いた表情を浮かべている。
その視線は、真っ直ぐ眞紘くんに向けられていた。
「えっ、牧田…?」
驚いているのは、眞紘くんも同じ。
知り合い…?
見知らぬ人物に疑問符を浮かべていると、女の子は眞紘くんの傍にやってきた。
「やっぱり、ヒロだ…!久しぶり!ちょっと見ない間に、また背伸びた?」
「大して伸びてないけど。つーか、会うのは卒業式以来なわけだし、そんなに久々…ってわけでもなくね?」
「いやいや、二ヶ月ぐらい会ってなかったんだから、久しぶりでしょ。元気そうだね。」
「まあ、一応…。」
曖昧な反応の眞紘くんに、女の子はクスクスと笑う。
とても嬉しそうな笑顔だ。
会話の内容からして、中学校の時の同級生っぽいよね…。
それにしても、綺麗な人…。
パッチリとした大きな目に、艶のあるピンク色の唇。
茶色の髪はフンワリとまとまったボブ。
背は高くて、スタイルも良い。
思わず見惚れてしまうほどだ。