幼なじみの隣で不器用な恋を
「あっ、勝手に会話しててごめん…。花奏と慶介に紹介するよ。こちらは…牧田 楓(マキタ カエデ)。中学の時、同じクラス且つ男子バスケ部のマネージャーやってたんだ。」
「初めまして…!」
花が咲いたかのような明るく可愛らしい笑顔に、私は慌ててお辞儀をした。
バスケ部のマネージャーさんだったのか…。
更に同じクラスとなると、眞紘くんと接する機会も多かったよね…。
親しそうな雰囲気なのも頷ける…。
「牧田、こっちは…俺の友達の矢口 慶介と幼なじみの白石 花奏。」
「は、初めまして…。」
緊張気味に挨拶すると、牧田さんの表情が少し曇った。
「ヒロの幼なじみなんだ…。そっか…。」
重苦しさを纏った小さな声。
牧田さんは、素早く私から視線を逸らした。
「ところで、どうして牧田がここに?高校は近隣のバスケ強豪校に進学…したんだよな?部活の合宿…にしては、遠すぎるだろ?」
眞紘くんの質問に反応する牧田さん。
その顔には、再び笑顔が戻っていた。