幼なじみの隣で不器用な恋を
「牧田、何?」
「あのね、今日…タツも一緒に来てるの。」
「えっ…!?」
眞紘くんは目を見開く。
「ヒロ、一番仲良かったでしょ?ここに向かう途中のバスの中で、“もしかしたら、ヒロもバスケの試合を観戦に来てるかも…”って、タツと話してたんだ。」
「そっか…。」
「今、他の部員たちと体育館の近くに居ると思うし、一緒に行かない?ヒロに会ったら、タツ…すごく喜ぶと思うよ?」
真っ直ぐ見つめる牧田さんに、眞紘くんは気まずそうな表情で頭を掻いた。
「でも、今日は友達の応援に来てるから…。競技も、もうすぐ始まるし……」
「だ、だけど…私たちが会えることって、この先…なかなか無いよ!せっかく会えたことだし、中学の時の話とか、高校に入ってからのヒロの話とか、色々…聞きたいよ。」
「………。」
眞紘くん、言葉に詰まってる。
仲良かった友達も来てるみたいだし、久しぶりに話したいよね…きっと。