幼なじみの隣で不器用な恋を
今頃、眞紘くん…中学時代の友達と楽しくお喋りしてるんだろうな…。
牧田さんとも、会話…弾んでるのかな…。
笑顔、牧田さんにも…たくさん見せてるのかな…。
心がざわつく。
ソワソワしながら体育館の方向をジーッと見つめた。
「眞紘のこと、気になる?」
「えっ…」
矢口くんに視線を向けると、ニヤリと笑みを返される。
「さっき、夏波の競技が始まる直前も…同じように体育館の方を見てたから。チラチラと。」
き、気付かれてたんだ…。
「気になってるというか、友達と楽しい時間を過ごせてるといいなぁ…って思って。」
「そんな風には見えないぐらい、不安そうな顔してたけど…。」
「そっ、そう…?」
「本当は、“牧田”っていうマネージャーのことが気になって、心中…穏やかじゃないんだろ?」
ビクッと肩が上がる。
矢口くんの指摘に、瞬きを繰り返した。