幼なじみの隣で不器用な恋を
「私ね、小6の冬に眞紘くんが好きなことを自覚して、いつか両想いになれたらいいな…と思った。」
この先、時間は…たっぷりある。
だから、焦る必要なんてない…って、ゆっくりと構えてたんだ。
「でも、突然…3月の初めに眞紘くんから卒業式が終わったら、遠くに引っ越すことを告げられて、驚きとショックを受けたのと同時に、自分の気持ち…ちゃんと伝えたいと思ったんだ。」
眞紘くんが隣の家から居なくなってしまう前に、“好き”って言いたい。
言わなきゃ、絶対に後悔する。
そう、感じたから。
「それで、卒業式の一週間前の放課後…帰り道で告白しようと思って、眞紘くんが体育館から戻って来るのを教室で待ってたの。」
「体育館?」
「あの日、眞紘くん…クラスの男友達に誘われて、体育館で遊んでたんだ。転校したら遊べなくなっちゃうから。」
「なるほど…。」
「でも、なかなか戻って来なかったから、様子を見に行っちゃったんだ、私。」
眞紘くんたちが、どんなことを話してるのか…知りもせずに。