幼なじみの隣で不器用な恋を

「体育館に着いた時、男子たちの声が聞こえてきたんだけど、誰かが“白石と離れるのは寂しいんじゃねーの?”って言ったんだ。」


あの時は、急に名前を出されてビックリしたっけ。


思わず、声を出してしまいそうになったのを堪えたし…。


「扉の隙間から中の様子を覗くと、体育館の中央でクラスの男子たち数人が、眞紘くんを囲んで話をしてた。“白石と仲良しだもんな”とか“離ればなれって辛いよな”とか色々と眞紘くんに言ってた。」


その時までは、眞紘くん…黙って聞いてたんだけど…


「そんな中、一人の男子が“白石のことが好きなんだろ?引っ越す前に告白しちゃえば?”って言ったんだ。それで、男子たちが“告白、告白”って騒ぎ始めて…。そうしたら、眞紘くんが、“いい加減にしろ”って大きな声で怒ったの。」


「へぇ…。眞紘が、そんな風に怒るなんて珍しいな。」


「あの時は、ビックリしたよ…。」


いつも、穏やかで優しい眞紘くんばかり見てたから…。


驚いたし、意外だった。





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