幼なじみの隣で不器用な恋を
寝言は分からないが、休み時間や授業中…ボンヤリと花奏のことを考えていたことは…度々あった。
元気してるか…とか、どんな中学生活送ってるか…とか。
気にしないようにしようと思えば思うほど、気にしていたっけ。
心の中で思ってたつもりだったのに、まさか声に出てた時があったとは…。
恥ずかしい…。
「あと、俺…中1の秋頃にヒロの家に遊びに行った時、偶然見たんだ…花奏ちゃんからの手紙。」
「えっ…」
「ヒロが飲み物を用意するためにキッチンに行って、俺がお前の部屋で待ってた時間あったろ?その時に机の下に何か落ちてるの見つけて、拾ったら…薄いピンク色の封筒でさ。差出人に“白石 花奏”って書いてあった。」
「………。」
「もちろん、中は見ずに直ぐに落ちてた場所に戻したけど、正直…誰なのか気になってたよ。」
そう言えば、俺が飲み物持って部屋に入った時、タツの奴…なんだかソワソワした感じだった気がする…。
原因は手紙だったのか。