幼なじみの隣で不器用な恋を

家が隣同士で、小さい頃から…いつも一緒。


家族みたいな存在だったから、自覚した恋愛感情を伝えることを躊躇ってしまう。


この穏やかな関係を壊してしまうんじゃないか…って。


気まずい雰囲気になりたくないと思って、なかなか踏み出せずにいた。


「でも、ようやく…思いきって前に進むって心に決めたんだ。」


「それ、もしや…告白?」


「ああ。結果がどうなるか分からないけど、花奏が俺のことを意識してくれるキッカケにはなると思うから…。」


自分から言わなきゃ何も始まらない。


だから、今日…実行に移すんだ。


「頑張れ、ヒロ!両想いになれるといいな。」


「ありがと。んじゃ、俺…行くわ。」


タツに手を振って走り出す。


早く花奏に会いたい…。


さっきまで一緒に居たのに、もう顔が見たいだなんて…。


俺の頭の中、アイツでいっぱいだな…。


顔に熱が集まるのを感じていた時だった。




「ヒロ、待って!」



< 149 / 302 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop