幼なじみの隣で不器用な恋を
家が隣同士で、小さい頃から…いつも一緒。
家族みたいな存在だったから、自覚した恋愛感情を伝えることを躊躇ってしまう。
この穏やかな関係を壊してしまうんじゃないか…って。
気まずい雰囲気になりたくないと思って、なかなか踏み出せずにいた。
「でも、ようやく…思いきって前に進むって心に決めたんだ。」
「それ、もしや…告白?」
「ああ。結果がどうなるか分からないけど、花奏が俺のことを意識してくれるキッカケにはなると思うから…。」
自分から言わなきゃ何も始まらない。
だから、今日…実行に移すんだ。
「頑張れ、ヒロ!両想いになれるといいな。」
「ありがと。んじゃ、俺…行くわ。」
タツに手を振って走り出す。
早く花奏に会いたい…。
さっきまで一緒に居たのに、もう顔が見たいだなんて…。
俺の頭の中、アイツでいっぱいだな…。
顔に熱が集まるのを感じていた時だった。
「ヒロ、待って!」