幼なじみの隣で不器用な恋を

「やっぱり、フラれちゃったか…。まあ、そうなるだろうなぁ…とは思ってた。」


アハハ…と苦笑いする牧田。


傍にある木にゆっくりと凭れた。


「初めてヒロを見た時に一目惚れして、両想いになれたらいいな…って思ってた。でも、ヒロは女子に興味なさそうな感じだったよね。私やクラスの女子に話し掛けられても…あまり感情を表に出さなかったし。」


確かに、俺…女子に興味関心なんてなかった。


タツに誘われたバスケ部で、部活に没頭して花奏への想いを諦めようと必死だったから。


だけど、花奏のこと…考えないようにしようと思えば思うほど、頭の中は花奏でいっぱいで…。


結局、もっと花奏を好きになってたんだよな…。


「私、告白したかったけど出来なかった…。気持ちを伝えて、戸惑わせたり、もしも嫌われたりしたら…と思ったら、怖くて言い出せなくて。」


俺も、つい最近まで…同じようなこと考えてた。


好きだからこそ、相手に気持ちを伝えることに対して臆病になってたんだ。


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