幼なじみの隣で不器用な恋を
「でも、今日…ヒロにちゃんと告白が出来て良かった…。中学を卒業した後、気持ちを伝えられなかったこと、後悔したの。だって、心に留めておいたままじゃ、私の恋が先に進まないから…。いつまでも宙ぶらりんだもんね…。」
「牧田…」
「失恋したのは残念だけど、なんか言葉にしたらスッキリした…!」
両手を空に突き上げて背伸びする牧田。
凭れていた木を離れて、俺の直ぐ傍にやってきた。
「最後に一つ…聞いてもいい?」
「何…?」
「ヒロの好きな子って、さっき競技場で一緒に居た白石さん…?」
その言葉に目を見開く。
カッと顔が熱くなるのを感じていると、牧田はクスッと笑った。
「やっぱり、そうかぁ…。ヒロってば、分かりやす過ぎる反応だね。」
「し、仕方ねぇだろ。反応しない方が無理な話。」
自然に顔に出ちまうんだよな。
照れくささを紛らわせるために、クシャクシャと頭を掻いた。