幼なじみの隣で不器用な恋を

自販機でペットボトルのお茶を購入した後、キョロキョロと辺りを見回す。


でも、眞紘くんの姿は見当たらない。


まだ体育館の辺りで会話してるのかも…。


話すことに夢中になっていて、もうすぐ決勝が始まることに気付いてない可能性もあるし、呼びに行った方がいいかな?


眞紘くん、なっちゃんの走りを見るの楽しみにしてたし……。


でも、せっかく中学の頃の友達に会えたんだから、邪魔しない方がいいか…。


戻って来るのを待っていた方が…


「…………。」


だけど、眞紘くんと一緒に…なっちゃんの決勝を見たい…。


一緒に…応援したい。


そう思った私は、体育館の方に向かって走り出していた。


こんな行動に出るなんて、自分でもビックリだ。


多分…これまでの私なら、呼びに行きたくても行かなかったと思う。


我慢せず、自分の気持ちに素直に従おうと思えるようになったのは、矢口くんのおかげ…。


さっきの言葉があったから…。


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