幼なじみの隣で不器用な恋を
「えっ、そ…そうなんですか……。」
眞紘くん、牧田さんと一緒にお喋りしてたんだ…。
もしかして、二人だけで話してたのかな…?
胸にズキンと痛みが走る。
どんな話をしてたんだろう…?
会話、弾んでたのかな…?
いやいや、今は…そんなこと考えてる場合じゃないでしょ…。
眞紘くんが競技場に戻っていったということは、どこかですれ違っちゃった…ってことだよね。
私も早く戻らなくちゃ…。
「あの、急に変なこと聞いてしまって、すみません…。ありがとうございました…。」
牧田さんにお辞儀をした後、競技場に向かおうと走り出した時だった。
「私、さっき…ヒロに告白したの。」
えっ…?
聞こえてきた言葉に反応して振り向く。
牧田さんは、真剣な顔で真っ直ぐ私を見つめた後、少し頬を緩めた。
「返事、OKだった…。私とヒロ、付き合うことになったんだ…。」
「…………。」
目を見開いた私。
一瞬、周りの空気も時間の流れも止まったかのように感じた。