幼なじみの隣で不器用な恋を
その後、私たちは決勝を全力で応援。
なっちゃんは惜しくも2位だったけど、準決勝よりも速いタイムでのゴールだった。
「星川の走り、すごかったな…。」
「カッコ良かったね!矢口くんは、写真…バッチリ?」
「完璧…と言いたいとこだけど、少しブレた。アイツが思ってた以上に良い走りしてたから。」
「うんうん、大健闘だよ…なっちゃん!」
トップと僅差だったから、終始…興奮気味で応援しちゃった…。
トラックの外で陸上部の先輩たちに囲まれてる、なっちゃんの姿を見つめていると、眞紘くんにポンポンと軽く肩を叩かれた。
「花奏、このあとは…何か予定とかある?」
「ううん、何も。」
「それなら、少し寄り道して帰らねぇか?あの体育館の向こう側に広い公園があるらしいんだ。天気も良いし、散策…ってことで。」
公園散策、楽しそう。
去年…ここに来た時は、公園には寄らずに帰っちゃったし…。
「それじゃあ、矢口くんも一緒に……」
「……ごめん、白石。俺は遠慮しとくよ。」
矢口くんはカメラをバッグにしまうと、ゆっくり立ち上がった。