幼なじみの隣で不器用な恋を
ギュッと抱き締められる。
驚いて大きく高鳴った鼓動の音が、眞紘くんにも聞こえてしまいそうだ。
「さすがに、そこまで言ったら気付くと思ったんだけど…。」
「ま、まさか私のことだなんて…思ってもみなかったから…。てっきり、他の女の子のことが好きなんだと思って…。」
顔を上げると、眞紘くんは柔らかい笑みを浮かべた。
「他の女を好きになるとか、有り得ねぇから。」
背中に回っていた眞紘くんの手がゆっくりと解かれていく。
体が離れても、鼓動はドクンドクンと波打った状態のまま。
心臓が破裂しちゃいそう…。
固まっていると、眞紘くんは優しい眼差しで私を見つめた。
「俺、花奏のことが好きだ…。幼なじみ以上の特別な存在だし、誰よりも大切にしたい…。」
ジワリと胸が熱くなる。
「花奏、俺の彼女になって欲しい…。」
眞紘くんから告白されるなんて、夢みたい…。
でも、夢じゃないんだ…。
溢れる嬉しさに涙が込み上げてきて、少し視界が滲んだ。