幼なじみの隣で不器用な恋を
「私、眞紘くんと付き合えたらいいな、幸せだろうな…って思ってた。だから、すごく嬉しい…。」
密かな片想いを貫こうとしていた時も、心のどこかで淡い理想を描いてた。
絶対に叶わぬ願いだと思ってたのに…。
私は零れ落ちそうな涙を拭って、大きく息を吸い込んだ。
「眞紘くんが好き…。ずっとずっと、私が好きなのは…眞紘くんだけだよ。」
「花奏……」
「私と…付き合って下さいっ…」
実らないかもしれない…と思ってた告白。
ダメ元でもいい。
私のことを意識してもらえるキッカケになれたら…って思ってたのに。
こんなに胸が震えて、嬉しさで満たされる中、気持ちを伝えられるなんて…。
「……ヤバい。マジかよ。」
眞紘くんの顔は耳まで赤く染まっている。
「まさか、そんな嬉し過ぎる答えが返ってくると思ってなかったから、衝撃が半端ない…。」
その場にストン…と、しゃがんだ眞紘くん。
落ち着かない様子で、髪をクシャクシャと掻いた。