幼なじみの隣で不器用な恋を
「もしかして、今朝…急用が出来たから先に学校に行くってメールも、それが原因?」
「う、うん…。朝から眞紘くんと二人で学校に行くのは刺激が強いと思って…。嘘ついちゃって、ごめんね…。」
「何だよ、それ……」
せっかく付き合うことになったのに、こんな行動とるなんて、眞紘くん…幻滅するよね。
俯いたままギュッと目を閉じた。
「……すげぇ可愛いんだけど。」
「えっ?」
予想外の言葉に驚いて、顔を上げる。
「あ、呆れてるんじゃないの?」
「呆れる要素は、どこにもねぇだろ。むしろ、それぐらい俺を彼氏として意識してくれてるってことじゃん。嬉しい以外の何ものでもねぇよ。」
笑みを零す眞紘くん。
“嬉しい”かぁ…。
そう言って貰えたことに、くすぐったいような喜びと照れくさい気持ちを感じていると、眞紘くんは私を包み込むように抱きしめた。