幼なじみの隣で不器用な恋を
「ま、眞紘くん!いっ、今の話…聞いてた?」
「もちろん。」
「私、目が合うだけでも凄いドキドキしちゃうのに、こっ…こんな風に抱きしめられたら、もっと……」
“ドキドキして心臓が破裂してしまいそう”
その先を口にしようとしたら、眞紘くんは抱きしめる力を少し強めた。
「……だったら、慣れればいいんだよ。」
「えっ…」
「そうすれば、過剰にドキドキしなくなるはずだろ?」
「う、うん…。」
慣れるのは…難しそう。
でも、ドキドキし過ぎるあまりに眞紘くんを避けるのは嫌だから、ここは頑張らなくちゃ…。
心の中で静かに頷いた。
「眞紘くんは、平気なの?」
「何が?」
「私は心臓が慌ただしく動いて全く余裕ないのに、とても落ち着いてるから…。ど、ドキドキとか…あまりしないのかな…と思って。」
眞紘くんは瞬きを繰り返す。
そして、照れくさそうに自分のおでこを私のおでこにコツンとくっつけた。
「平気なわけねぇだろ。ヤバいぐらいドキドキしてるよ、俺。」