幼なじみの隣で不器用な恋を

「キス、していい?」


「今…!?」


「…したいんだけど。」


射抜くような視線が、鼓動を加速させる。


「ま、また次の機会じゃダメかな…?さっきから眞紘くんにドキドキさせられてばかりで、心臓の負担が限界だし…。」


土曜日に初めてキスされた時だって、体が痺れるぐらいの衝撃があって、唇も顔も凄く熱かった。


だから、今…同じことされたら、唇から伝わった熱で全身が溶けてしまう気がするんだ…。


「花奏、悪いけど…その表情は煽ってるようにしか見えねぇ。」


「あ、煽る…?」


一体、何を?


よく分からなくて、瞬きをしながら固まっていると、眞紘くんはフッと笑った。


「その無自覚なところがヤバいんだよな、色々と。俺以外には決して見せないようにしろよ?」


「う、うん…。」


っていうか、眞紘くん以外の人には見せられないよ。


真っ赤に染まりきった顔なんて…。


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