幼なじみの隣で不器用な恋を
眩しすぎるキミの隣
「白石さん、何か良いことあったの?」
「えっ?」
放課後の調理室。
不意に家庭科部の女の子に訊ねられた私は、カップケーキの生地を混ぜる手を止めた。
「今日、すごく嬉しそうな顔してるから。ニヤケてる感じ。」
ふふっと微笑ましそうに笑う女の子。
顔を覗き込まれた私は、カアッと頬が熱くなるのを感じた。
いつも通りにしてるつもりだったんだけど、顔にハッキリ出てたんだ…。
恥ずかしい…。
「もしかして、カッコいい男子から告白された…とか?」
ドクンッと鼓動が波打つ。
鋭い質問に瞬きを繰り返した。
「えっと……」
眞紘くんに告白されて、両想いになって、付き合い始めたこと…
この場で素直に打ち明けたら、大騒ぎになりそうだよね…。
眞紘くん、女の子たちに凄く人気あるから、波紋を呼びそうな気がするし…。
黙っておいた方が良さそう…。