幼なじみの隣で不器用な恋を
「いいなぁ~。あんなにカッコいい幼なじみがいるなんて。羨まし過ぎる!」
その言葉に賛同するかのように、他の部員の女の子たちが頷く。
「私も、カッコいい幼なじみ欲しいなぁ…。」
「私も欲しい!結城くんみたいな幼なじみ。あっ、でも…幼なじみより彼氏にしたいなぁ…。」
「確かに!」
楽しそうに盛り上がる女の子たち。
笑顔で話す姿に胸がチクリと痛んだ。
やだな、また…妬いてる。
女の子たちに大人気なぐらい、眞紘くんは素敵な人なんだ…って、思えればいいのに…。
ボウルに入ったカップケーキの生地を見つめながら、ゆっくり混ぜ始めた。
あまりモテて欲しくないな…。
女の子たちの話題にならないで欲しいな…。
そんな風に思ってしまう。
心が狭いな…私。
みんなに気付かれないぐらいの、小さな溜め息を漏らした。