幼なじみの隣で不器用な恋を
「甘さ控えめに作ってあるんだけど、口に合わなかったら無理して食べないでね…?」
「花奏が作ってくれるものは、みんな俺好みだから。家帰ったら大事に食う。ありがと!」
こんなに喜んでくれるなんて…。
もうちょっと、分量…増やして作れば良かったかな…。
くすぐったいような嬉しさを感じながら、校舎を出た。
「花奏、手…繋いでいい?」
「手?」
「仮に拒否られたとしても、繋ぎたいから繋ぐけど。」
眞紘くんは私の手を優しく握る。
微笑む姿に、私の心臓は爆発しそうなぐらい跳ね上がった。
こんなに大胆な男の子だっけ…?
甘過ぎる雰囲気に顔が焼けそうなほど熱くなるのを感じながら、幸せそうに笑う彼の横顔を見つめた。
眞紘くんは私のこと、大切に想ってくれてる…。
言葉や仕草、行動…。
全てから伝わってくる。
それなのに、どうして私は…他の女の子たちに対してヤキモチ妬いちゃうんだろう…。
不安で、胸が苦しくなったりするんだろう…。
キュッと唇を噛み締めた。