幼なじみの隣で不器用な恋を
「どうした?なんか、浮かない顔してる…。」
「あ、ごめんね…。大丈夫、何でもないよ…。」
ニコッと笑ってみせるけど、眞紘くんは心配そうに眉を下げる。
「何でもないような顔じゃねぇよ。何かあったんだろ?」
笑って誤魔化すなんて、通用するわけないか…。
小さい頃からの付き合いだもんね…。
眞紘くんとは、どんなことも正直に向き合わないと…。
「今日ね、部活の時に他の女の子たちが眞紘くんの話題で盛り上がったんだ…。みんな、幼なじみにしたい…とか、彼氏にしたい…って言っていて、胸がチクチクした。そんなに眞紘くんの話をしないで欲しい…って思ったの…。」
「そっか…」
「さっきも、谷川先輩が眞紘くんに告白するの聞いて、胸が苦しくて痛かったんだ…すごく。私、他の女の子に妬いてばかりで心が狭いよね…。」
俯くと、眞紘くんは手を握る力を少しだけ強くした。
「俺も妬いてばかりだよ、他の男たちに。」