幼なじみの隣で不器用な恋を
「俺は、全然平気だけど…。さっきも先輩にハッキリ言ったぐらいだし。でも、なんで?」
眞紘くんは、不思議そうに少し首を傾げる。
「わ、私たちが付き合ってることが知れ渡ると、たくさんの女の子たちに衝撃が走ると思うんだ。そうなると、周りが騒がしくなるんじゃないかと思って…。眞紘くん、そういうの苦手じゃない…?」
「まあ、確かに…花奏以外の女たちに騒がれんのは鬱陶しいし迷惑だけど、そこは無視するからいいよ。っていうか、そもそも俺に彼女出来て騒ぐ女なんて、そんなに居ないと思うけど。」
「そ、そんなことないよ。眞紘くんが思ってる以上にファンの子は多いから…。それに、今だって…」
道行く女の人が、一度は視線を眞紘くんへと向ける。
嬉しそうな顔で。
どこに居ても、女の人の目をひくぐらい、眞紘くんは魅力的な男の子なんだ…。
「花奏…。」
眞紘くんは不意に立ち止まると、私と同じ目線になるように背を屈めた。