幼なじみの隣で不器用な恋を
「もしかして、俺と付き合ってること…周りに内緒にしておきたいのか?」
その言葉に微かに頷く。
「出来るだけ、そうしたい…。何かの弾みで知られちゃうのは仕方ないけど、自分たちから積極的に打ち明けるのは避けたいんだ…。」
眞紘くんは少し表情を曇らせる。
「どうして?」
見つめる瞳は少し戸惑いの色が滲んでいた。
そうだよね…。
両想いだと分かって付き合い始めたのに、いきなりそんなこと言われたら、訳分からないよね…。
でも……
「私、まだ…眞紘くんに釣り合う彼女になれてないから。」
「えっ…」
「眞紘くんは王子様のようにキラキラしていてカッコ良くて、勉強も出来るし運動神経も抜群だし、とても優しい…。対して、私は何もかもが至って普通で取り柄も特にない…。」
あまりにも違いすぎる。
「こんな私が眞紘くんの彼女だなんて、周りの女の子たちからすれば、不自然に感じると思うんだ…。」
不釣り合いもいいところだ…って思われるに決まってる。