幼なじみの隣で不器用な恋を
「寝ぐせは…無いし、リボンも曲がってない。その他、おかしなところは特に無い…よね?」
鏡と睨めっこして、身だしなみの最終確認を終える。
「うん、多分…大丈夫。」
スクールバッグを片手に、少し硬い表情で頷いた。
今日から高校生かぁ…。
なんだか、緊張しちゃう…。
期待と不安が、胸のドキドキに拍車をかける。
気持ちを少しでも落ち着けようと、大きく深呼吸をしたところで、お母さんが苦笑いしながら部屋に入って来た。
「花奏、念入りに身支度するのはいいけど、そろそろ家を出た方がいいんじゃない?今日は入学式なんだから、時間に余裕を持って行動した方がいいわよ?」
「そ、そうだね!」
お母さんの言う通りだ。
早めの行動が大事だよね…。
ソワソワしながら部屋を出た私は、階段を降りて玄関へと向かった。