幼なじみの隣で不器用な恋を

しばらく歩いて、高校に到着した私たち。


4人で並んで、校門をくぐる。


校舎の入り口付近まで来ると、大きく掲げられたボードに新入生が群がっているのが見えた。


「きっと、あそこにクラスが書かれてるんだね!何組かなぁ…。」


駆け出していく、なっちゃんの後に続く。


みんなと一緒になれますように…。


心の中で願いながら、他の新入生たちに交じって、自分の名前を探した。




「「あっ、2組だ…!」」



間もなくして、見つけた名前。


思わず言葉にすると、隣にいた眞紘くんの声と重なった。


「花奏、2組?」


「うん。眞紘くんも…?」


「ああ。」


眞紘くんは頷くと、私と同じ目線に背をかがめる。


指差した先には、“結城 眞紘”と書かれているのがハッキリと見えた。


やった…!


眞紘くんと同じクラスだ…。


飛び跳ねたいぐらいの嬉しさが体を駆け巡った。


< 20 / 302 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop