幼なじみの隣で不器用な恋を
無自覚の脅威
【眞紘side】
“私、まだ…眞紘くんに釣り合う彼女になれてないから”
「…そんなことねぇよ。めちゃくちゃ釣り合ってんだろ。」
“眞紘くんに相応しい彼女だって誰が見ても思ってくれるように、自分磨きを頑張るよ…。”
「そのままでいい。頑張る必要ねぇから。」
「結城、お前…何を意味深なことをブツブツ言ってるんだ?」
ハッと我に返ると、不思議そうな顔で俺を見る担任の顔が視界に映る。
「いや、別に何でもないです。」
「そうか、ならいいけど…。じゃあ、悪いが…このプリントを教室まで持って行ってくれるか?教卓に置いといてくれればいいから。」
「はい、分かりました。失礼します。」
淡々と担任に挨拶をして職員室を出た。
最悪だ…。
心の中で思ってたつもりだったのが声に出ていた挙げ句、担任に聞かれるとは…。
ったく、今日が日直だなんて本当についてない。