幼なじみの隣で不器用な恋を
「ごめんな、待たせちまって。」
「ううん、平気!いつも、私の部活が終わるまで待ってもらっちゃってるし。眞紘くんが待つ時間に比べたら全然大したことないよ。ただ……」
「ん?」
「昨日みたいに、もしかしたら女の子に告白されてるかも…なんて、ちょっと考えちゃって…。そしたら、落ち着かなくて…。」
それで、様子を見に来たのか…。
“ごめんね…”と恥ずかしそうに謝る花奏。
また、心が狭い…って自分を責めてるのかもしれないけど、俺からしてみれば嬉しい以外の何ものでもない。
それだけ、気にしてくれてるんだな…って思うから。
「本当、可愛いよな。」
「えっ…?」
「もっと、花奏の心の中…俺でいっぱいにして?」
みるみるうちに赤く染まっていく花奏の顔。
ぎこちなく目を泳がせる姿に、自然と笑みが零れた。
ヤバい、抱き締めたい…。
でも、俺らの関係を秘密にするって約束した以上…とりあえず我慢だよな。
かなりキツいけど。