幼なじみの隣で不器用な恋を
帰り道。
二人で並んで歩く。
俺と会話しながらも、時折…花奏の視線は周りに向けられていた。
「あそこで立ち話してる女の子たち、オシャレで可愛いなぁ…。あの信号待ちしてる女の人、スラッとしていて凄く綺麗…。私も、もう少し背が高かったらなぁ…。」
ポツリと呟く花奏の顔を覗き込む。
「いいんだよ、花奏は花奏のままで。他の女と比べる必要なんてない。っていうか、アイツらより花奏の方がよっぽど可愛いから。」
「そっ、それはないよ!」
即行で否定しなくてもいいのに…。
フルフルと首を横に振る花奏に苦笑した。
周りの女たちの視線なんて、そんなに気にする必要ねぇんだけどな。
花奏を超える奴なんて、いないんだから。
それよりも、もっと男の目を気にして欲しい。
さっき、すれ違った他校の数人の男子生徒たち…花奏のこと見て嬉しそうな顔してたんだぞ?
学校に居る時だって、花奏を見て頬を赤くする男…結構いるんだからな?