幼なじみの隣で不器用な恋を

でも、当の本人は一切…気付いてない。


男に見られてる自覚がないんだよな、花奏には。


「あっ、そうだ!眞紘くん、ちょっと本屋に寄ってもいい?」


「本屋?」


「お母さんに今日発売の雑誌を買って来て欲しいって頼まれてたの思い出して…。あの、寄り道しても大丈夫?」


「もちろん、いいに決まってるだろ?」


その分、一緒に居る時間が長くなる。


嫌なわけない。


「ありがとう…。」


微笑む花奏に鼓動が速くなるのを感じながら、俺たちは駅前の本屋へ。


到着すると、“直ぐに済ませてくるね”と言って、花奏は雑誌コーナーへと足早に進む。


そんなに急がなくてもいいのに。


苦笑いしながら後を追っていた時だった。


「おい、あれ…2組の白石さんじゃね?」


「本当だ、マジで白石さんじゃん!」


その言葉に反応してピタリと足を止める。


即座に辺りを見回すと、新刊本のコーナーで花奏の方を見ている二人組の男たちが視界に入った。


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