幼なじみの隣で不器用な恋を
振り返って睨みつけると、男たちは肩をすくめる。
「うわ、何だよ。居たのかよ…。」
「せっかくチャンスだと思ったのに…。」
残念、と言った表情の二人。
逃げるように本屋から出て行った。
「眞紘くん、どうしたの?怖い顔してるよ?」
「いや、何でもない…。」
「そ、そっか…。じゃあ、雑誌…買ってくるね!」
「あっ、花奏。」
レジへと向かおうとする彼女を引き留めた俺。
不思議そうに首を傾げる花奏をジッと見つめた。
「あのさ、視線…感じなかった?」
「えっ、視線…?もしかして、女の子たちが眞紘くんを見てたの?」
“怖い顔してたのは、それが原因?”と続ける花奏に、苦笑いを浮かべた。
ほらな、やっぱり。
自分が男たちにジロジロ見られてたことに、全く気付いていない。
危ねぇ…。
マジで危険すぎるんだけど。
レジの列に並ぶ花奏の姿を見ながら、溜め息を零した。