幼なじみの隣で不器用な恋を
「良かった…。俺、花奏と同じクラスになれたらいいなと思ってたんだ。だから、嬉しい。」
眞紘くん、満面の笑顔だ…。
そっか…。
こういう時、喜びを表に出したら…自分の恋心がバレちゃうんじゃないかと思って、抑えようと思ったんだけど…
素直に喜べばいいんだ…。
嬉しさを言葉にしようとした時、背後から…どんよりした空気を察知した私。
振り向くと、ガックリと肩を落としている、なっちゃんがいた。
「私、花奏と別のクラスになっちゃった…。」
「えっ、なっちゃんは何組?」
「3組。ついでに、慶介も同じ。」
「そうなんだ…。隣のクラスか…。」
小学生以来、また同じクラスになれたら…と思ってたんだけどな。
4人一緒…っていうのは、さすがに難しいか…。
しんみりした雰囲気を漂わせていると、矢口くんが、なっちゃんの頭にポンと手をのせた。
「一人ひとりがバラバラのクラスになるよりは、マシだっただろ。それに、クラス違うからって全然会えないわけじゃねぇんだし。そんなに沈むなよ。」