幼なじみの隣で不器用な恋を

「そのためには、眞紘が思ってることを素直に白石に伝えるのが一番だな。白石は既に自分の気持ちを伝えてきてるわけだし。」


「…そうだな。」


「お前ら付き合ってるんだし、お互い…思ってることは正直に主張することが大事なんじゃないか？」


確かに、慶介の言うとおりかもしれない。


花奏に“自分たちから積極的に打ち明けるのは避けたい”って言われた時、俺はその言葉を受け入れるだけで、自分の気持ちは何も伝えてなかった。


こうして、後からモヤモヤ考えるんだったら、最初に俺の思うこともキチンと伝えるべきだよな。


「慶介、ありがとな。今週末、花奏と出掛けることになってるから、その時に話してみるよ。」


「頑張れ。白石は、充分…魅力的な女だって、本人に自覚させてやれよ？」


「…ああ。」


応援して貰えるのは嬉しいけど、俺以外の男の口から“魅力的な女”って言われると、複雑だな…。


口を固く結ぶと、慶介は目を細めて笑った。