幼なじみの隣で不器用な恋を
デザインが可愛すぎるから、私が着ると不自然な気がして、ずっとクローゼットにしまいこんでたんだけど…
オシャレも頑張ると決めたわけだし、思い切って袖を通してみたんだよね。
髪も普段から、あまり巻いたりしないから、自分の中では…かなり冒険してる気分。
お母さんは“とても可愛い”って声を弾ませて言ってたけど、あれは身内のフォロー的な発言だよね…きっと。
うぅ…。
なんだか、さっきからチラチラ見られてる気が…。
背伸びしてオシャレを頑張ったつもりだったけど、周りから見れば全然似合ってないのかもしれない。
眞紘くんも、変に思うかな…。
視線を感じて、いたたまれなくなった私は俯いた。
「あれっ?もしかして、白石さん?」
今、私…呼ばれた?
顔を上げると知らない男の人が立っていた。
「あの、あなたは……」
「俺、2年3組の唐沢って言うんだ。よろしくね。白石さん、私服だしいつもと雰囲気違うから、一瞬…別人かと思った。」
同じ学校の先輩か…。
別人と思うぐらい不自然な格好なんだ、私。