幼なじみの隣で不器用な恋を
「…まあ、それもそうだね。慶介ってば、たまには良いこと言うじゃん!」
「俺は、いつも…まともなことしか言わねぇよ。」
「はいはい!」
なっちゃんは笑顔で軽くあしらう。
さっきまでの沈んだ表情は、あっという間に消え去っていた。
立ち直りが早くて前向きなのは、なっちゃんの良いところだよね…。
和やかな雰囲気で校舎の中へと入った私たちは、1年生の教室がある棟へ。
廊下で、なっちゃんたちと別れた後、眞紘くんと一緒に2組の教室に入った。
「花奏、あれ…座席表かな?」
眞紘くんが黒板に貼られてる紙を指差す。
「そうみたいだね。みんな、あの紙を見てから席を探してるし…。」
私たちも黒板の前へと移動して、座席表を確認する。
どうやら五十音順で決められているらしく、私は教室のほぼ真ん中の席、眞紘くんは廊下側の後ろから二番目の席だった。
席、少し離れてる…。
でも、隣同士になったら…それはそれでドキドキして大変そうだから、この方がいいかもしれない…。