幼なじみの隣で不器用な恋を
その後、電車に揺られること40分。
更に、駅からバスに乗って数分で着いたのは、大型の複合ショッピング施設。
3年ぐらい前にオープンして以来、常に混雑してる人気スポットだ。
「花奏、ここに来たことある?」
「うん。なっちゃんと、何度か遊びに来たよ。」
一日じゃ回りきれないくらい、色んなジャンルのお店が揃っているんだよね。
すごく広いから、毎回…最後には足が痛くなるぐらいだし。
「そっか。んじゃ、頼もしいな。俺は来るの初めてだから。」
「ところで、今日は…何を買うの?」
まだ肝心なことを聞けてない。
そもそも、今日は眞紘くんの買いたいものを買うためのお出掛けだし。
「俺、こっちに越してきて…もうすぐ二ヶ月ぐらい経つんだけど、部屋の中…かなり殺風景なんだ。」
「そうなの?」
「ああ。最低限、生活するのに必要なものしか持ってきてないから。だから、もう少し部屋の雰囲気を明るくしようかと思ってさ。」
なるほど…。
そのためのお買い物かぁ…。