幼なじみの隣で不器用な恋を
「だから、花奏にも一緒に選んでもらいたいんだけど、いい?」
「私!?」
パチパチと瞬きをする私に、眞紘くんは笑いながら頷く。
「俺よりも、花奏の方がセンス良さそうだし、アドバイスして欲しいな。」
「私も大したセンスないよ!だから、私の感性を参考にして選ぶのはリスクがあるんじゃない?眞紘くんの好みもあるし…。」
アドバイスなんて畏れ多い…。
「いいんだよ、俺が花奏と一緒に選んだものを買いたいんだから。ほら、行こ?」
眞紘くんは、特に躊躇うことなく手を繋ぐ。
「混雑してるから、はぐれないようにな?」
「う、うん…。」
手をしっかり握られてるから、迷子になる心配はないけど……。
さっきから視線が…。
チラリと周りを見る私。
やはり、多くの女性客が足を止めて眞紘くんに見とれていた。
きっと、隣の不釣り合いな女は何様なんだ…とか、思われていそう。
その通りだから、何も言えないけど。