幼なじみの隣で不器用な恋を
「ん?俺の顔、何かついてる?」
私の視線を感じたのか、突然こちらを向いた眞紘くんにビクリと肩が跳ねる。
「ちっ、違うの。眞紘くんが…その………」
「俺が……何?」
至近距離で見つめられて、鼓動が加速する。
「真剣に時計選んでるところもカッコ良いなぁ…と思って、見とれてただけ……です。」
恥ずかしくて、だんだん小さくなる声。
そして、最後は不自然な敬語で終わってしまった。
顔が熱い…。
絶対、真っ赤…。
視線を泳がせていると、眞紘くんの手が伸びてきて、そっと私の頬に触れた。
「今のは、ヤバい…。こんなところで、いきなり可愛いこと言うのは反則だろ。」
あ……。
眞紘くんも、顔が赤い…。
「照れてる…?」
「そりゃ、照れるに決まってんじゃん。でも、花奏にカッコ良いって言われんの、めちゃくちゃ嬉しい。」
頬を赤く染めながら無邪気に笑う眞紘くんに、心臓が甘く跳ねた。