幼なじみの隣で不器用な恋を
「入学早々、もう女子からの人気を集めてるね、あの男の子。まあ、かなりのイケメンだから無理ないよね…。」
土屋さんの言葉に“うん”という一言を口にするのが精一杯だった。
なんだろう、この感じ。
胸がチクチクする。
こんな痛み、今まで感じたことなかったのに…。
おかしいな…。
違和感を抱えたまま、入学式へと臨んだ私。
気持ちを切り替えよう…とは思いながらも、モヤモヤした状態は晴れることなく、結局…ホームルームが終わるまで続いてしまった。
まさか、こんなにモヤモヤが長引くなんて…。
小さく溜め息を零しながら帰り支度をしていると、なっちゃんが教室に入って来た。
「花奏、この後…駅前で一緒にお昼ご飯どう?結城君も誘って、久々に4人で!」
「ご、ごめんね…。今日は早く帰って来るように、お母さんに頼まれてるんだ…。」
「そっかぁ…。それなら仕方ないね。んじゃ、またの機会にしよっか!」
「……うん。」
小さく頷いた時、また眞紘くんの席の方から、女の子たちの黄色い声が聞こえてきた。