幼なじみの隣で不器用な恋を

あのデート以降、私たちは付き合ってることを内緒にするのは止めた。


眞紘くんが教室で“付き合ってる宣言”をした…っていう方が正しいけど。


そんなことしなくても、私と接する時の眞紘くんは、付き合う前よりもグンと甘い雰囲気を漂わせてるから、みんな気付くと思ってた。


でも、宣言した時の周りの反応は凄かったな。


私たちが仲の良い幼なじみとしか思ってなかったらしく、意外と驚いてたし。


その後、瞬く間に付き合ってることが学校中に知れ渡って、数日間は眞紘くんに事実確認しにくる女の子たちで、周りが騒がしかったんだよね。


最近は、それも落ち着いてきて穏やかな日常だと思ってたのに。


「勝手に掲載しやがって。許可ナシとか有り得ねぇんだけど。」


チッという舌打ちまで聞こえてきて、思わず隣に視線を向ける。


眞紘くんは眉をしかめながら、校内新聞を見ていた。


「怒ってるの…?」


黙って頷く姿から漂う不機嫌オーラ。


かなり、お怒りのようだ。





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