幼なじみの隣で不器用な恋を

誰もいない屋上にやって来ると、なっちゃんは大きく深呼吸する。


「なっちゃん、何かあったの?」


心配しながら訊ねると、なっちゃんは躊躇いがちに私を見つめた。


「私、最近…変なんだよね。結城くんがさっき言ってたみたいな症状があるんだ。」


「えっ…?」


「実は、最近…写真部に新しく女の子が入ったの。学年は私たちと同じ1年なんだけどクラスは違う子。でね、この前…グラウンドで陸上部の活動してる時に、慶介と一緒に風景写真を撮ってるの見ちゃったんだ。そしたら、胸がモヤモヤして…。」


「なっちゃん……」


「そ、それだけじゃないの…。昨日は、廊下で慶介がその子と話をしてたんだけど、なんか…その様子を見てたら、胸の辺りがチクチクしたし、ちょっと苛ついたんだよね。慶介の隣には、いつも私が居るのに…とか感じちゃったりして。お、おかしいよね…。」


気まずそうに苦笑いする、なっちゃん。


私は、すぐに首を横に振った。


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