幼なじみの隣で不器用な恋を
「ねぇ、なっちゃん!今の話、矢口くんに話してみたらどうかな?」
「えっ!?」
「胸がモヤモヤしたりチクチクすること、素直に言ってみようよ!心に溜め込むのは良くないし、言いたいことは言った方がスッキリするよ。」
……なんて、私が偉そうに言える立場じゃないけど。
なっちゃんと矢口くんは、小さい頃から仲良くしてる大切な友達。
だから、二人には上手くいって欲しいんだ。
「そうだね…。言いたいこと言わずにいるのは私らしくないっ!明日、慶介に話してみるよ。」
「うん!頑張れ、なっちゃん!」
「花奏、結城くん、ありがと!じゃあ、私…これから部活に行かなきゃだから、またね。」
スッキリした表情のなっちゃんは、私たちに手を振って屋上から出て行った。
「あの二人、少しずつ…進展してるな。特に星川。」
「うん。」
先月の陸上部の地区大会の時。
矢口くんは、“俺の気持ちにも、気付く気配すらない”って言ってたけど…
なっちゃん、もうちょっとで気付きそう…。