幼なじみの隣で不器用な恋を

顔を綻ばせていると、不意に眞紘くんが横から覗き込んできた。


「花奏、嬉しそうだな。」


「うん!昔から、なっちゃんと矢口くんは気が合っていて、雰囲気も良くて、付き合えばいいのになぁ…って思ってたから、それが現実になったら本当に嬉しい。」


自分のことのように喜んじゃいそう。


「そういう眞紘くんだって、嬉しそうな顔してるよ?」


「俺も、アイツらはお似合いだと思ってるから、付き合うことになったら嬉しいよ。二人とも大事な友達だし。」


“でも…”と言葉を続けた眞紘くん。


その表情は少し照れくさそうに見えた。


「それよりも嬉しかったのは、“好きだから、独り占めしたい”っていう花奏の言葉かな。」


「あっ…」


瞬く間に頬が熱くなる。


眞紘くんがいる前で、私…堂々とあんなこと言っちゃうなんて、恥ずかしい……。


「いつも眞紘くんと一緒に居るのに、独り占めしたいだなんて欲張りなこと言って、ごめんなさ……。」


言い終える前に、唇を優しく塞がれた私。


心臓が跳ね上がった。


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