幼なじみの隣で不器用な恋を
帰り道。
まだ顔に集まった熱が冷めないまま、俯き加減で歩いていると…
「来週の金曜日、花奏の誕生日だよな?6月10日…。」
突然、聞こえてきた眞紘くんの言葉。
私は驚いて顔を上げた。
「お、覚えてくれてたんだ…。」
「当たり前だろ?小さい頃から一緒にお祝いしてたし、何より大切な人の誕生日なんだから、忘れるわけねぇじゃん。」
フッと笑みを零す眞紘くん。
そう言えば、昔から…私や眞紘くんが誕生日の時は、クリスマスみたく二家族で集まってパーティーしてたんだっけ。
みんなで賑やかにお祝いして楽しかったな…。
懐かしい…。
「それじゃあ、眞紘くんも私の家で一緒に夕ご飯を……」
「あ、いや…。」
眞紘くんは私の言葉を、ぎこちなく遮った。
「出来れば、みんなで…じゃなくて、二人で祝いたいんだけど…ダメ?」
真っ直ぐ見つめられて、鼓動が波打つ。
私は、慌てて首を横に振った。