幼なじみの隣で不器用な恋を
「確かに頼んだけど、花奏の誕生日なのに……」
「私の誕生日だからだよ。眞紘くんと一緒に夕ご飯作れたら嬉しいし、忘れられない思い出になると思うんだ。」
とても素敵な日になりそう。
「それじゃあ、そうしよっか。当日は、料理のレクチャー、お手柔らかに宜しくな?」
「うん…!」
声を弾ませる私に、眞紘くんはとびきりの笑顔を向けた。
料理、何を一緒に作ろうかな…。
どんな料理でも、二人なら楽しく作れそう。
色々な料理を頭の中で浮かべながら、頬を緩ませる。
来週の金曜日が楽しみだな…。
早く誕生日が来ればいいのに…だなんて、こんなに待ち遠しく感じるのは初めて。
家まで続く道を足取り軽く歩く私は、眞紘くんと過ごす誕生日に、終始…心を弾ませていた。