幼なじみの隣で不器用な恋を
心の準備
【眞紘side】
「眞紘、やけに不機嫌だな。また変な虫が白石に付きそうだったとか?」
「違ぇよ。お前が、急に俺の家に来たせい。」
俺が冷めた視線を向ける相手は慶介。
天気の良い日曜日の昼下がり。
突如、俺の家にやって来た上に、部屋にあがりこんできたのだ。
「でも、この前…いきなり来た時は普通だったけど…」
「今日は、忙しいんだよ…色々。」
俺だって、いつも快く出迎えるわけじゃない。
今日は…来たる6月10日に備えて、午前中は部屋の掃除。
そして、この後は誕生日プレゼントを買いに行くことになっている。
二人で過ごす誕生日当日を待ち遠しく思いながら、気分よく出掛けようとしていたタイミングで来たんだから、イラつくのは当然だ。
「もしかして、白石へのプレゼント買いに行こうとしてた?来週だもんな、誕生日。」
いつもながら、鋭いヤツ。
悪い悪い…と平謝りする慶介に溜め息を零した。
「んで、何の用?」