幼なじみの隣で不器用な恋を

「ん?お母さんから電話だ!花奏、それじゃあ…また明日ね!」


「うん、また明日…。」


教室から出て行くなっちゃんに手を振った後、私はバッグを持った。


家に帰らなくちゃ…。


女の子たちに囲まれたままの眞紘くんをチラチラと見ながら廊下に出た。


私、心が狭いな…。


眞紘くんが女の子と話すだけで、眉間にシワ寄せたりして…。


彼女でもないのに、立派にヤキモチ妬いたりして…。


もしも眞紘くんが、こんな私の一面を知ったら、幻滅しちゃうだろうな…。


小さく溜め息を零す。


足早に廊下を歩いて、昇降口へ。


外に出たところで、二人組の男子生徒が駆け寄って来た。


「ねぇ、君…新入生だよね?」


「はい…」


「俺ら、サッカー部の2年なんだ。」


「そ、そうなんですか…。」


話が見えなくて戸惑っていると、先輩たちはニッコリと爽やかな笑みを浮かべる。


「あのさ、君…サッカー部のマネージャーやってみない?」


ま、マネージャー…!?


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