幼なじみの隣で不器用な恋を

「白石の誕生日、二人でデートに出掛けるのか?」


玄関で靴を履きながら、不意に訊ねてきた慶介に首を横に振る。


「いや、俺の家で二人でお祝いすることにした。花奏も、その方がいいって言ってたし。まあ、人目も気にせずにゆっくり出来るからな。」


「そっか。でも、気を付けろよ?」


「は?」


何に対してだよ。


意味が分からず首を傾げた。


「くれぐれも、理性を飛ばさないようにな。暴走して白石に嫌われないようにしろよ?」


「そんなこと、言われなくても分かってんだよ。」


暴走なんかする訳ねぇだろ。


断言する俺に対して、慶介は疑いの眼差しを向ける。


「どうかな…。今は…そう言ってるけど、当日になったら心境が変わるかもしれないぜ?部屋に二人きりだし、白石って無意識にお前を煽りそうだから。」


「………」


まあ、確かに…。


花奏って不意打ちで可愛いこと言ったりするし、ドキッとするような笑顔を見せたりするんだよな。


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