幼なじみの隣で不器用な恋を
聞き覚えのある女の人の声。
振り向いた私は、慌てて頭を下げた。
「竹内さん…!こ、こんにちは。」
「こんにちは。なんだか、花奏ちゃんと話すの久しぶりだね~!」
「はい、そうですね…!」
二人でクスッと笑い合っていると…
「花奏、誰…?」
眞紘くんが耳元で囁く。
そ、そうだ…。
ちゃんと紹介しなくちゃ…。
「あのね、眞紘くん。こちらは、今…隣の家に住んでる竹内さん。美男美女の素敵なご夫婦なんだよ!」
「ちょ、ちょっと花奏ちゃん!美男美女は言い過ぎだってば!」
真っ赤な顔で否定する竹内さんも可愛らしくて、微笑ましく感じてしまった。
確か…眞紘くんたちが引っ越して、一ヶ月ぐらい経った頃に竹内さん夫妻がやって来たんだよね。
その当時は新婚ホヤホヤだったらしくて、私の家に転入の挨拶に来た時の旦那さんとのラブラブっぷりは、印象的だったなぁ…。
もちろん、今もラブラブな夫婦なのは変わってないけど。